阪神大震災で猫の40%の飼い主が動物を連れて避難。猫は地震が発生したとき25%がどこかに逃げていて行方が分からなくなった。犬は殆どが自分の寝場所又は近くに戻ったが猫は半数が別の場所に去ってしまったという報告も聞かれます。猫と共に暮らす中で、災害への備えは特に大切です。東日本大震災や熊本地震などの大規模な自然災害が日本で発生し、多くの人々がペットと共に避難生活を余儀なくされました。
その際、被災者たちはさまざまな困難を乗り越え「事前の備え」が如何に大切かを痛感しました。この記事では、猫と暮らす方が災害に備えるために役立つポイントを被災者の声を交えながら紹介します。

まず最初に、多くの飼い主が「キャリーバッグを常に準備しておくこと」の重要性を語っています。災害が起きると家屋が崩壊したり、余震でさらに安全が脅かされたりするため、安全な場所に移動する必要が生じることがあります。猫は突然の大きな音や振動に怯えやすく、逃げ出してしまうことが少なくありません。そのため、避難時にはキャリーバッグが必要不可欠です。飼い主の中には「普段からキャリーバッグに慣れさせておくことで、避難の際にも落ち着いて移動できた」と語る人もいます。バッグに入ることが嫌いな猫も多いため、日常的におやつを使ってバッグに入る練習をしておくと良いでしょう。

次に、「猫の避難グッズをまとめておくこと」も非常に役立ちました。具体的には、キャリーバッグの中にフード、飲み水、トイレ用の砂、小さなトイレ容器、ウェットティッシュ、ペットシーツ、タオル、薬などを用意しておくと安心です。大規模な地震では、インフラが止まり、物流が滞ることが多々あります。そのため、被災後にすぐに必要なものを手に入れるのは難しい場合があり、特に猫専用のフードやトイレ用の砂は入手困難になることが想定されます。避難生活が長期化した場合でも猫が普段と同じように過ごせるよう、数日分の備蓄をしておくと安心です。

また、猫の「健康記録と予防接種の証明書を用意しておくこと」も大切です。避難所や一時避難先では、他の動物たちもいる可能性があり、感染症のリスクが高まります。証明書があることで避難所に入れてもらえることが多く、また必要に応じてワクチン接種を受けることもできるため、安心して避難生活を送ることができます。被災者の中には「証明書をすぐに出せなかったことで、避難先での対応が遅れた」といったケースも報告されています。これらの書類は、キャリーバッグや避難用のリュックサックに入れておくとよいでしょう。

さらに、猫の「写真を携帯すること」も意外に役立ちます。災害時には恐怖や混乱から猫が逃げ出してしまうこともあり、いなくなってしまうケースが少なくありません。被災地では、道に迷ったり他人の避難所に紛れ込んでしまったりする猫も多く見られます。そんなとき、スマホに猫の写真を保存しておいたり、プリントアウトして常備しておいたりすることで、万が一の捜索活動がスムーズに進めやすくなります。また、特徴的な模様や首輪の色なども写真に収めておくと、猫の特定がより簡単になります。

また、被災者の中には「写真を見せるだけで、近隣の避難所や動物保護団体のスタッフが協力してくれた」という体験談もあります。猫は体調や状況によっては鳴かずに静かに隠れてしまうことがあり、見つけるのが難しいケースも少なくありません。災害の混乱の中で、飼い主が不安に駆られていると、周りの支援も必要となる場面が多くあります。写真は、そうした協力を得る際の重要な手がかりとして役立ちます。
さらに、迷子になってしまった場合に備え、首輪に飼い主の連絡先を書いたタグをつけることも効果的でしょう。