今回は四日市市内で活動している動物愛護団体「四日市にゃんこレスキュー 愛の手」の代表、大平あけみさんと真由美さんにお話を伺いました。

項 目 | 内 容 |
---|---|
団体名 | 四日市にゃんこレスキュー 愛の手 |
代表者 | 大平あけみさん・真由美さん |
設立年 | 2017年 |
里親会 | 毎月第2・最終日曜日 11時~14時 |
場 所 | 四日市市宮東町1丁目23 にゃんこハウス海山道(グリーンハイツ伊藤2F) 【電車】近鉄名古屋線「海山道駅」から徒歩5分 【お車】塩浜街道から敷地内に指定駐車場あり(約14台) |
問合せ | 里親募集・里親会情報ブログ 里親募集中のねこ達の情報や里親会・イベント情報 預かりボランティアさんのツィート |
団体の活動について
設立のきっかけ
iyコーギー:
本日はよろしくお願いします。早速ですが、四日市にゃんこレスキューを設立したキッカケを教えて下さい。
あけみさん:
「娘が伊勢型紙のハンドメイド切り絵を雑貨屋さんに置かせていただいていたのですが、そちらの店主が保護猫活動をされていて、私たちも一緒に活動するようになったんです。」

当初は個人で保護活動をしている方々がそれぞれ活動していましたが、個人での里親募集の難しさから「みんなで集まって定期的に里親会を開こう」ということになり、6人の個人ボランティアが集まって団体が発足しました。
真由美さん:
「チラシに載せるのに団体名があった方がいいということで『四日市にゃんこレスキュー愛の手』と名付けました。」

現在の活動内容
主な活動:
- 譲渡会:毎月第2・最終日曜日の月2回開催
- TNR活動(野良猫の避妊去勢手術)
- 子猫の保護・一時預かり
活動規模:
- 預かりボランティア:16名
- 現在の保護猫数:45頭(2025年6月29日時点)

特徴的な取り組み
あけみさん:
「『にゃんゲーカフェ四日市』という福祉施設でも猫ちゃんたちを預かってもらってるんです。利用者さんの生活訓練の一環として、猫のお世話をしてもらっています。」

iyコーギー:
「カフェという名前ですが、実際には福祉施設なんですね。」
あけみさん:
「はい。この施設では、利用者さんが猫のお世話を通じて社会復帰のための訓練を行い、一方で猫たちも人に慣れていくという、お互いにとって素敵な関係が生まれています。」
真由美さん:
「利用者さんたちも、自分たちがお世話した猫ちゃんが人に慣れてくれたり、里親さんが決まって巣立っていく姿を見るのがとても嬉しいみたいで。私たちも見ていてほっこりするんです。」
iyコーギー:
「猫ちゃんたちにとっても、人と触れ合う良い機会になっているんですね。」
保護猫の譲渡について
譲渡条件・審査基準
主な条件:
- 60歳以上の方のみのご家庭は後継人が必要
- 単身の方は年齢に関わらず後継人が必要
- 賃貸住宅の場合は「ペット可」物件であること
- 完全室内飼いの約束
- 避妊去勢手術・ワクチン接種の実施

真由美さん:
「実は以前、単身の方が急にお世話できなくなり、急遽預かりさんが猫ちゃんの様子をみることがあったんです。その経験から、やはり身近に猫のことを頼める方がいらっしゃることを、お約束していただくようになりました。」
iyコーギー:
「万が一の時のことを考えると、大切な条件ですね。」
あけみさん:
「そうなんです。大切な家族になる猫ちゃんですから、万が一の時のことも考えて、安心してお迎えしていただけるようにと思っています。」
譲渡費用
あけみさん:
「里親さんのお住まいの場所や、猫ちゃんの年齢によって検査やワクチンの費用が変わってくるんですが、だいたい1万円から3万円程度をお願いしています。これは実際にかかった医療費の一部を負担していただく形になります。」
譲渡の流れ
- 1週間のトライアル期間
- 問題なければ正式譲渡
- アフターフォロー
- 子猫の場合:避妊去勢手術時の報告
- 定期的な近況報告(写真付き)
- SNSでの様子確認

支援・ボランティアについて
一時預かりボランティア
活動している方々:
- 若いご夫婦(小さなお子さんがいる家庭も)
- 20代~80代の方
- 福祉施設
あけみさん:
「ご高齢の方からも『猫を20年近くお世話するのは体力的に不安だけど、一時預かりなら喜んでお手伝いしたい』と言っていただけるんです。そのお気持ちが本当にありがたくて。」
iyコーギー:
「一時預かりという形なら、ご高齢の方でも参加しやすいですね。」
真由美さん:
「そうなんです。若いご夫婦で保育園のお子さんがいらっしゃるご家庭や、にゃんゲーカフェの施設の方もそうですし、本当にいろんな方がお手伝いしてくださって。みなさん優しい方ばかりで、猫ちゃんたちも幸せそうなんですよ。」
iyコーギー:
「幅広い年齢の方が参加されているんですね。」

支援物資・寄付
あけみさん:
「フードや猫砂は、皆さんからいただいた支援物資を使わせていただいています。本当にありがたいことです。医療費などで預かりボランティアさんに一時的にご負担いただいた場合は、後日きちんと精算させていただいています。」
受付方法:
- Amazonの欲しいものリストから送付
- 譲渡会での直接持参
- 寄付金(医療費等に使用)※お振込先は「ゆうちょ銀行」↓です。
現状の課題と将来の展望
運営上の課題
真由美さん:
「私たちは『四日市わんにゃん会議』に参加させていただいて、毎年市長さんに『愛護センター』を作ってほしいとお願いしているんです。」
iyコーギー:
「愛護センターの設立は、長年の願いなんですね。」
真由美さん:
「現在は一般の方から突然『こちらに猫がいるんです!』とご相談をいただくことが多く、私たちも『えっ、どうしましょう…』と思いながらも相談を受けています。向こうからするとこちらがプロのように見えるかもしれませんが、実際は初めてのことも多くて…専門的な対応が求められる場面でもボランティアが対応しなければならない状況があります。」
iyコーギー:
「ボランティアの皆さんに頼りきりになってしまっているんですね。」
あけみさん:
「愛護センターが出来れば、相談窓口の一元化や、より専門的な対応が可能になり、私たちも猫ちゃんの預かりという得意分野で、より良いお手伝いができるのではないかと思っています。」

今後の目標
あけみさん:
「TNRがもっと進んで、野良猫ちゃんが子供を産まなくなれば、保護しなければならない子たちも自然と減っていきます。不幸な命が生まれることがないよう、野良猫の避妊去勢手術がもっと広まってくれればいいなと思っています。」
真由美さん:
「高齢者の方のペット問題は、これからもっと大きな社会問題になってくると思うんです。でも愛護センターがあれば、そういった問題にもいち早く対応できるのではないでしょうか。本当に実現してほしいです。」

メッセージ
保護猫との暮らしを考えている方へ
あけみさん:
「保護猫だから、ペットショップで買ったから、という区別は全然ありません。預かりボランティアさんのお宅で、普通のご家庭の家族として大切に育てられている子たちですから、構えずに、普通に迎え入れていただければと思います。」
真由美さん:
「ペットショップと違うところは、里親さんになった後でも困ったことがあればアドバイスができることです。『こんなことで困ってるんですが…』『ちょっと心配なことがあって…』等、気軽にご相談頂いています。初めて猫ちゃんを迎える方には、お世話の仕方も一からお教えしますので、安心してくださいね。」
iyコーギー:
「アフターフォローがしっかりしているのは心強いですね。」

一時預かり・ボランティアを考えている方へ
真由美さん:
「『ボランティア』って聞くと、なんだかとても志の高い方がされることのように思われがちで、『すごいですね』なんて言われることもあるんですが(笑)、そんなことはないんです。私たちも普通の人ですから、普通にお手伝いしていただければそれで十分なんです。」
iyコーギー:
「身構えずに参加できるということですね。」
あけみさん:
「できる範囲でお手伝いしていただければいいんです。普通に猫ちゃんを飼うのと同じで、普通にご飯をあげて、普通にトイレ掃除をして、普通に可愛がっていただくだけ。分からないことがあったら、いつでも遠慮なく聞いてくださいね。みんなで支え合っていますから。」
iyコーギー:
「本日は貴重なお話をありがとうございました。多くの方に活動を知っていただけると嬉しいです。」

お問い合わせ
「四日市にゃんこレスキュー 愛の手」では、保護猫の譲渡、一時預かりボランティア、支援物資の寄付を随時受け付けています。
譲渡会開催日: 毎月第2・最終日曜日 11時~14時
場所: にゃんこハウス海山道(グリーンハイツ伊藤2F)
SNS: ブログ、Instagram、X(Twitter)で最新情報を発信中
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取材を通じて、保護猫たちのために献身的に活動されている皆さんの温かい思いが伝わってきました。一匹でも多くの猫たちが幸せな家族を見つけられるよう、この活動が多くの方に知られることを願っています。